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ロシアは燃料危機に続き「軍隊と食料の危機」に発展か…ウクライナ情勢は年末までに大きなヤマ場迎える

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ロシアを燃料危機に追い込んだウクライナのゼレンスキー大統領は戦争で優位な立場を築いた(写真:ブルームバーグ)
  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長

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国際法違反の侵攻を続けるロシアに対するウクライナの軍事・外交上の優位性が、ますます明確になってきた。5年目に入っている戦争は、今秋から年末に向けて、大きなヤマ場を迎えそうだ。

いったい何が起きているのか。まず、ロシアにとって最も深刻なのは、燃料危機の一層の拡大だ。「ロシアに燃料危機を起こしたゼレンスキーと惰性の攻撃続けるプーチン」で筆者は、ウクライナがロシア全土の燃料関連施設をドローンやミサイルでじゅうたん爆撃のように攻撃しており、燃料危機はまだ始まりと考えるべきだと指摘したが、その通りの展開となっている。

すでにロシアの多くの地域でガソリン不足の事態が生じている。それが7月半ば以降、前線のロシア軍にも及び始めた。従来、軍部へのディーゼル・エンジン用燃料は、軍が望むだけ優先的に供給されたが、軍用車両への給油制限が始まった。

ロシア軍は戦車などへの給油量が制限される事態に

戦車などへの一度の給油量が20リットルに制限されている部隊もあるという。これまで考えられなかった事態だ。この状況がロシア軍内で広がれば、移動範囲や作戦時間が制限され、作戦遂行能力が大きなダメージを受けるのは必至だ。

2026年3月に始まったウクライナによる原油積み出し港や製油施設へのドローン攻撃は、ロシア最大の外貨獲得源である石油の輸出能力を削ると同時に、ガソリンやディーゼル燃料の不足を引き起こすことで侵攻継続能力に打撃を加える戦略だった。さらに国民や経済界の厭戦ムードを誘うことも狙っている。

ロシアの中立的な燃料専門家によると、この間、高品質のガソリンの生産量は65%減少し、ディーゼルは40%減少したという(本稿執筆時点)。これまでのところ、有効な対策を打ち出せていないプーチン政権は、地方向けのガソリンなどをモスクワやサンクトペテルブルクなどの大都市部に集中配分することで、とりあえず、大都市での燃料危機を打ち消すことを狙った苦しいやり繰りを強いられている。

しかし、現在の供給不足が今後数か月も続けば、先述の専門家は「物流も含めたロジスティクスのコラプス(崩壊)が起こるだろう」と警告する。

トラクター用ディーゼル燃料の不足でロシアが食糧危機に?

このコラプスとは、具体的にどんな事態か。それは、収穫用トラクター用のディーゼル燃料不足が決定的になり、農作物収穫が大きな打撃を受けることだ。すでに農業への燃料供給は通常水準の85%程度にまで落ちている。極東では不足が始まっているという。

航空機用のケロシン燃料も不足するので、ロシア内外の航空便が深刻な打撃を受ける可能性もある。物資の遠隔地への物流が影響を受ける。今後の天候次第という面もあるが、ロシアで食料不足が発生する可能性も否定できない。

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