コンパッション体験を教えてくれたKさんに、なぜいろんなことを試したのかと聞くと、「成長したかった」との答えが返ってきました。別居・離婚を通して自分を見つめ直すことは、自分の弱点や欠点も直視しないといけない、とても勇気のいる作業です。それでも挑み続けたことを、筆者は素直にすごいと感じました。
一方で、Kさんは、コンパッションの効果は家庭だけに留まらなかったとも語ります。「自分は会社では管理職です。コンパッションの基本が『人の気持ちによりそう』なので、職場の人間関係でも役立つんですよね。コンパッションで学んだことを活かして、仕事で混乱したときも気持ちを落ち着かせやすくなりました」意外なことに、夫婦問題からスタートした学びによって、仕事でも情緒面をコントロールできる武器を手に入れたそうなのです。
妻からのモラハラ・嘘・不倫・家事放棄などに苦しむ人も
さて、マンガの中では「DVやモラハラによる辛さ」を語るのは女性が多かったと描きましたが、もちろん男性がDVやモラハラなどの被害者になることもあります。たとえば、ある男性は、妻のモラハラ・嘘・不倫・家事放棄などに苦しんだ過去を筆者に教えてくれました。彼は、大黒柱として仕事をしながら家事育児を担い、お子さんたちが大きくなってから、ひとりで昼逃げをしたそうです。「そのときは毎日が大変すぎて、気分転換できる趣味とか何もなかったなあ」と当時を振り返ります。
DVやモラハラの相談センターは、男性の被害者にも対応しています。また、女性用よりはかなり少ないですが、男性向けのDVシェルターも存在します。女性からの加害を理由に、弁護士に離婚相談する人もいます。女性と同様に、加害を受けている場合は、自分の力だけで解決できないことも多いので、第三者機関に相談するのはひとつの有効な手段だと思われます。
別居・離婚は、男女どちらも、どんな立場でも、メンタルに深い傷を残します。時間がたっても、なかなか心身が回復できないという当事者も大勢います。自分にあったメンタルケアの方法を見つけること、上手な気分転換の方法を見つけることは、別居・離婚を乗り越えるための大きなポイントと言えるのではないでしょうか。

