「中退はマイナスのイメージが強いので、大学は予防に取り組んでいることを宣言しにくいのですが、多様な学生が入学してくる時代となった今、入学者のケアは大学の大切な役割といえます。今後は、中退予防に取り組まない大学は生き残れないのではないでしょうか」
「高校」にも求められる「大学への移行支援」
高校側にも、大学への移行支援が求められる。
「高校では、大学の偏差値やネームバリューだけでなく、その生徒が大学生活にスムーズに移行できるかを見据えた進路指導や支援が必要です。オンライン講義も選択できる授業形態か、ゆるやかなペースの学びも可能にする履修の柔軟性があるか、カウンセラーの配置など入学後の相談体制は充実しているか。通学に不安のある生徒には、オープンキャンパスや個別相談でそれらの点を確認するように促すことも必要です。
また、高校においても、ある授業で生徒の意識や欠席日数がどう変化したかといった、短期的な効果をDXの手法で分析する取り組みは有効かもしれません。そうしたデータ分析の積み重ねにより、高校段階から将来何を勉強したいのかを考え、探究学習を深めていく機会を提供できるようになれば、大学入学後もよりスムーズに適応していけるはずです」
高校と大学の境界をなだらかにし、段階的に学びのスタイルを移行させること。大学側はデータに基づく早期介入と組織的支援を行う体制を整えること。その両輪がそろって初めて、多様な学生を大学での学びにつなぎとめる道が開けていく。



