日本の製造業は、経営者の高齢化に伴う後継者不足、現場の人手不足といった構造的課題に直面しており、M&Aの動きが活発になっている。こうした中で、自動車関連を軸に、中堅・中小ものづくり企業の事業承継案件を積極買収しているのが、名古屋市に本社を置くセレンディップ・ホールディングス(以下、セレンディップ)だ。多くの金融機関と連携しながら、案件を積み上げている。

同社は2029年3月期を最終年度とする中期経営計画「セレンディップ・チャレンジ1000」において、売上高1000億円、調整後EBITDA100億円という目標を掲げ、事業拡大のスピードを急加速させている。
同社は将来の売却を前提とした投資ファンドとは異なり、買収したものづくり企業の長期保有を基本としている。買収先に経営革新を担う幹部社員を送り込み、当事者として現場の生産性向上や組織改革を推進してきた。共同創業者である竹内在CEO、高村徳康CIO(最高投資責任者)はインターネット・IT業界での経験が長く、変化に出遅れた買収先のデジタルトランスフォーメーション(DX)が得意領域だ。
25年5月に年商200億円超のサーテックカリヤ(自動車向け金属表面処理・めっき加工)を買収したことで、売り上げ規模は一気に拡大。株価も上昇した。ただし、同じシリアル・アクワイアラー(連続的にM&Aを行う企業)である技術承継機構やGENDAと比較すると買収先に派手さや話題性が乏しいためか、株式市場からの評価は見劣りする。
そうした中でセレンディップが打ち立てたのが、より機敏にM&Aを進めるための斬新な仕掛けだ。
「連続的なM&A」が可能に
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