破竹の勢いで上場を果たしたネイスだが、経営環境には追い風が吹いているわけではない。体操教室の主な顧客は子どもたちであり、少子化のなかでどう成長戦略を描くのかが問われる。
意外なことに、当面市場は縮小しないというのがネイスの見立てだ。矢野経済研究所の調査(「こども市場総合マーケティング年鑑」25年版)によれば、国内の子ども向け習い事市場の2026年の市場規模は7450億円、うちスポーツ系の習い事市場は3650億円と予測されている。少子化で子どもの数自体は減るものの、両親と祖父母の計6人の財布を購買力とみなす「シックスポケット」により、子ども一人当たりの教育費は上昇傾向にあり、結果として市場規模は横ばいで推移すると見込む。
真の競合相手は“他の習い事”
全国展開する体操教室としては唯一のFCチェーンであり、独自のポジションを築いているのがネイスだ。コナミなど大手スポーツジムが手がける子ども向け体操教室は直接的な競合になり得るが、体操教室特化という強みは揺るがない。
南社長は強気だ。「体操教室が、まだ現在、マーケットを作っているような状況なので、子どもが減っていても、まだまだ需要に対して供給が追いついていない。向こう10年、少なくとも1000店以上の出店は可能であるというふうに考えている」。
一方、真の競合相手は、時間やコストの制約から見て、実は他の習い事ではないか。子どものスポーツ系習い事はスイミングが首位を走り、体操教室が続く。スポーツ庁の「体育・スポーツ施設現況調査」によれば水泳教室の拠点数は6800拠点にのぼるのに対し、体操教室の拠点数はネイス調べで約1200拠点にとどまる。ここに供給不足の余地があるとみて、ネイスは市場全体の約1割にあたる750億円程度の潜在市場が存在すると試算する。
南社長は自信をのぞかせる。「あれだけイニシャルとランニングコストがかかるスイミング教室に対して、体操教室は圧倒的に少ない。体操教室の先生の育成が分からなかったのが理由と考えている。われわれのような体操教室はショッピングセンターに入っていることもあり、もっとポピュラーな習い事にすることができる。5年後には(水泳を抜いて体操が)1位になっている」。

