5年後に現在の約3倍となる530店舗という野心的な計画を掲げるが、急速な拡大にはひずみが伴うリスクもつきまとう。
まずは品質だ。急拡大のなかで全店舗に一定の品質を求めるのは容易ではない。とりわけ親にとって、体操は安全性への意識が向きやすい分野だ。ネイスはインストラクターの働きぶりを本部が数値でモニタリングする体制を整えているというが、拡大スピードに管理体制が追いつくかは注視すべきポイントだ。
また、需要分析のうえで出店するとはいえ、体操教室人口がどこまで広がるかは未知数な部分もある。筆者の子ども2人も保育園時代からスイミングに通っており、周囲を見渡してもスイミングが圧倒的に多い。親世代にとってなじみがあることも大きな要因だろう。南社長は自信をのぞかせるが、体操教室への鞍替えはそう簡単には進まない可能性もある。想定が外れれば、FC加盟店の出店意欲の減退や、直営店舗の減損リスクにも直結しかねない。
発達支援施設「ネイスぷらす」も展開
体操教室事業以外には、発達支援施設「ネイスぷらす」も展開している。行政からの収入が安定して見込める一方、発達支援事業のセグメント利益は全体の1%程度にとどまり、実質的には体操教室事業に偏った収益構造だ。また、体操教室は小学3年生以降は中学受験を見据えて塾へ切り替える家庭も多く、低学年での離脱が課題だ。高学年以降も通い続けてもらえる新業態の模索も進めている。

さらに先を見据えれば、急速な少子化のもとで国内市場の縮小は避けられない。そこでネイスが打ち出すのが海外進出だ。今年9月にはマレーシアへ初進出する。気温の高いアジア地域は屋内スポーツへの関心が高く、現地でのテストマーケティングでも手応えを感じたという。市場調査での反応も良好だった。
南社長はこう語る。「国内成長はまだまだ可能であると考えているが、15年後、20年先を見据えたときに、やはり少子化の波というのは一定数影響はある。二の矢、三の矢というところで、マレーシアを皮切りに、まずASEANを中心に多店舗展開を行っていきたい」。
体操文化を子どもたちに広げるという新たな挑戦。ネイスが放った長期戦略が、描いた通りの着地を見せたとき、体操教室が日本中にあふれる光景が見られるかもしれない。

