すしを流す回転レーンを取りやめる店舗が増える中、大手すしチェーンで唯一「回転ずし」を継続するくら寿司。アメリカやアジアなど海外での売り上げは2025年10月期で全社売り上げの約28%を占めるまでになった。足がかりとなったのは09年の米カリフォルニア州での海外1号店の出店だ。
08年設立のアメリカ子会社「Kura Sushi USA」(くら寿司USA)は、19年にナスダック市場への上場を果たし、直近の時価総額は1000億円を超える。東証プライム市場に上場するくら寿司と同規模だ。今年5月には、トランプ米大統領がくら寿司USAの株を買ったことが判明し、大きな話題を呼んだ。
出店も積極的で、店舗数は足元で93店となり100店舗到達が間近だ。将来的には300店舗を視野に入れる。くら寿司USAの姥一(うばはじめ)社長に聞いた。
どのようなレイアウトでも柔軟に出店
――トランプ大統領がくら寿司USAの株を購入していたことが話題となりました。
アメリカでもニュースやソーシャルメディアでたくさん取り上げられた。ただ、売り上げや株価への影響は特になかった。ともに上場している日本の本社と台湾法人は株価が上がったが、当社は一瞬だけ上がったもののすぐに戻った。本業で注目されるように頑張りたい。
――姥社長はアメリカでの事業立ち上げスタート時から関わっています。抜擢された理由は何だったのですか。
アメリカに駐在するまでは、日本で店舗オペレーションのトップを務めていた。新たな商品の販売に伴う、設備の導入やマニュアルの作成をしていた。各店でバラバラだったレイアウトやタイムテーブルを統一した。
アメリカでは当初、回転ずしではなく普通の日本食レストランを出店する計画だった。くら寿司では誰もやったことがなかったので、オペレーションのトップである私が初めてのことに挑戦するのは当然だったと思う。居酒屋でバイトリーダーをしていたこともあり、くら寿司以外での経験も豊富だったことで選ばれた。
――出店の仕方は日本とは違いましたか。
日本だと特に郊外店では、土地を借りて自分たちで建物を建てる。そのため、同じつくりの店舗を多く展開できる。一方、アメリカだと土地を借りて新しく建てるのは一般的ではない。すでにある建物にテナントとして入居する。知名度がまだ低いので出店交渉も厳しい。
入居する建物の形は毎回異なる。そこに回転ずしをどのように当てはめるか。店舗内のレイアウトは毎回違うものとなる。それでも回転ずしのオペレーションの効率化を図りながら、席数を最大化し動線も確保することが必要だ。毎店舗それらが違う中で、最初の15店舗ほどは私が自らレイアウトを考えて開店させた。15店ほど開店するまでに7、8年を要した。その後、一緒にアメリカにやってきたメンバーにバトンタッチした。
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