祭りで本当につくりたいもの
毎年、この時期になると決まって聞かれる質問があります。
「なんで、そこまでやるの?」
「儲かるの?」
「何が楽しいの?」
祭りの実行委員長をしていると、本当によく聞かれます。その気持ちは、僕にもよくわかります。外から見れば、祭りは一日限りのイベントに見えるからです。
でも実際には、何カ月も前から準備を始め、何十回も会議を重ねます。行政、警察、消防、地域の皆さん、スポンサー企業、出演者、ボランティアスタッフ……数え切れないほど多くの人と調整を続けます。
本番が近づけば電話は鳴りっぱなしですし、予定どおりに進まないことも珍しくありません。会場の導線、警備体制、雨天時の判断、協賛のお願い、スタッフ配置、近隣への説明。ひとつ確認が終わると、また次の課題が出てきます。
正直に言えば、「もう勘弁してほしい」と思う日だってあります。それでも毎年、「今年もやろう」と思う。
それは、お金になるからでも、有名になりたいからでもありません。
実は、僕にとって祭りそのものは目的ではないからです。
僕が本当につくりたいのは、人が集まる一日ではありません。人が動き始める“きっかけ”です。
地域おこしという言葉があります。でも僕は以前から、「地域を変える前に、人が動かなければ何も変わらない」と思ってきました。
どんなに立派な施設があっても、人が挑戦しなければ街は変わりません。どんなに素晴らしいイベントを開いても、「誰かがやってくれる」と思う人ばかりなら、その熱は一日で終わってしまいます。
逆に、一人でも「自分もやってみよう」と思う人が現れれば、その街は少しずつ変わり始めます。
だから僕は、祭りを成功させたいだけではありません。祭りのあとに、「来年は自分も手伝ってみたい」「何か挑戦してみたい」と思う人を一人でも増やしたい。そのために祭りを続けています。


