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キャリア・教育

「なんで、そこまでやるの?」「儲かるの?」「何が楽しい?」祭りの実行委員長だけが知る"舞台裏"

8分で読める
話題のプロデューサー安達勇人さん
(写真:筆者提供)
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祭りの実行委員長を続けてきて、一つ確信していることがあります。

お願いだけでは、人は続かない

人は、お願いだけでは動き続けません。

もちろん、「手伝ってください」と声をかけることはあります。けれど、それだけでは人は続きません。最初は協力してくれたとしても、そこに楽しさや意味を感じられなければ、翌年もまた一緒にやろうとは思えないはずです。

本当に人を動かすのは、「この人と一緒にやりたい」「この街のために何かしたい」という気持ちです。

だから僕は、誰よりも先に動くようにしています。朝早く会場へ行くのも、最後まで片づけをするのも、自分が一番楽しそうに祭りをつくるのも、そのためです。

言葉だけで「一緒にやろう」と言うより、自分が本気で動いている姿を見てもらうほうが、ずっと伝わると思っています。

この考え方は、祭りだけではありません。会社でも、学校でも、地域でも同じです。

誰かを変えたいと思ったら、まず自分が動く。その姿を見て、「じゃあ自分も」と思う人が一人現れる。そして、その一人がまた次の誰かを動かしていく。

僕は、その連鎖こそが、本当の意味での地域おこしだと思っています。

本の中で僕は、「迷ったら心で動け、すぐ動け」と書きました。これは、ただ勢いで動けばいいという意味ではありません。

心が動いたのなら、その気持ちを見なかったことにしないでほしい。誰かのために動きたいと思ったなら、完璧に準備が整うまで待たなくていい。まず一歩踏み出してみる。その一歩が、次の誰かの一歩になることがあるからです。

祭りの現場では、それを何度も見てきました。

最初はお客さんとして来ていた人が、翌年はスタッフとして参加してくれる。手伝いに来てくれた学生が、「地元って面白いですね」と言ってくれる。協賛してくださった企業の方が、「今年も応援してよかった」と笑ってくれる。

そういう瞬間に出会うたび、この祭りはただのイベントではなく、人が自分の街に関わる入口なのだと感じます。

当日の花火やステージは、もちろん大切です。来てくださった方に楽しんでもらいたいし、子どもたちの記憶に残る一日にしたい。そのために全力を尽くします。

でも、それ以上に僕が見たいのは、祭りをきっかけに生まれる小さな変化です。

「来年は自分も何かやってみたい」

「この街で、もっと面白いことができるかもしれない」

「誰かに任せるだけじゃなく、自分も動いてみよう」

そんな人が一人でも増えたら、それが僕にとって一番うれしい成功です。

だから、毎年聞かれる「なんで、そこまでやるの?」という質問に、僕はこう答えます。

「祭りを成功させたいからだけではありません。この街で『自分も動いてみよう』と思う人を、ひとりでも増やしたいからです」

だから僕は、今年も祭りを続けます。

花火を打ち上げるためだけではなく、その花火を見上げた誰かの心に、小さな火が灯ることを信じているからです。

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