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キャリア・教育

「なんで、そこまでやるの?」「儲かるの?」「何が楽しい?」祭りの実行委員長だけが知る"舞台裏"

8分で読める
話題のプロデューサー安達勇人さん
(写真:筆者提供)
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祭りというと、多くの人は当日の賑わいを思い浮かべると思います。屋台が並び、子どもたちが笑い、ステージで音楽が流れ、夜空には大輪の花火が咲く。たしかに、その景色は祭りの醍醐味です。

花火の前に、成功は決まっている

でも、実行委員長として毎年感じるのは、祭りの本番は当日だけではないということです。本当の勝負は、花火が上がる何カ月も前から始まっています。

会場をどう使うのか。来場者が増えたとき、どこに人を流すのか。もし雨が降ったら、誰がどのタイミングで判断するのか。子ども連れの方や高齢の方にとって危ない場所はないか。花火が始まる前と終わったあと、人の流れはどう変わるのか。

派手な話ではありません。でも、こういう地味な確認の積み重ねが、当日の安心につながります。

僕はステージに立つ側の人間でもあります。だからこそ、華やかな本番の裏にどれだけ多くの準備があるかを知っています。ライブでも祭りでも、表に出る時間はほんの一瞬です。でも、その一瞬のために、見えないところでたくさんの人が動いています。

祭りは、花火を打ち上げるイベントではありません。

人と人が、少しずつ信頼を積み重ねていく時間なんです。

毎年思うのですが、「実行委員長だから祭りを動かしている」という感覚はありません。むしろ逆です。僕一人では、本当に何もできません。

一人が100歩進むより、100人が一歩ずつ進むほうが、はるかに大きな力になります。

これは祭りだけではなく、ADACHI HOUSEを始めたときも同じでした。最初から多くの人が賛成してくれたわけではありません。

「本当に続くの?」

「人は集まるの?」

そんな声もありました。でも、誰か一人が勇気を出して動くと、それを見た誰かがまた一歩踏み出す。その連鎖が生まれると、いつの間にか「自分も手伝うよ」と言ってくれる仲間が増えていくんです。

祭りも同じです。実行委員会だけでつくるものではありません。

地域の皆さんが準備を手伝ってくれる。商店街の皆さんが盛り上げてくれる。ボランティアの学生が朝早くから集まってくれる。協賛企業の皆さんが「今年も応援するよ」と声をかけてくださる。

そんな一つひとつの行動が重なって、ようやく祭りが形になります。

だから僕は、「この街には、こんなにも誰かのために動く人がいる」ということを、多くの人に知ってほしいんです。

花火は数十分で終わります。でも、人との信頼は、その日では終わりません。むしろ、その信頼があるからこそ、次の年も「またやろう」と言えるのだと思います。

僕にとって祭りとは、一日限りのイベントではなく、人の挑戦が次の挑戦を生む「きっかけ」なんです。

笠間納涼盆踊り花火大会、2025年の様子(写真:筆者提供)
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