「大切なのは、どこをどう頑張ればいいのか整理し、ゴールを見つけてあげること。例えば『電磁気学がわからない』という場合、電磁気学の講義をして丸々教えるわけではなく、単位を取るためにはどこまで学べばいいかを一緒に整理してあげて、試験でよく出るところを重点的に学ぶのです」
薬学部は特に推薦入試で入学する学生が多いうえ、国家試験という大きな目標もある。
「薬学部では50科目近く履修しなければならないうえ、1科目の教科書が1000ページ近いことも。そこで、『国家資格に受かる知識をつければいいんだよ』とハードルを下げると、その子も安心して取り組めます」
とはいえ、わからない科目が多いほど、そしてわからないまま講義を受けている期間が長いほど、リカバリーには時間と労力がかかるという。これを防ぐには、高校時代の学習内容が重要だと思われるが、大学の専攻から逆算して高校の学びを組み立てるべきなのだろうか。
「将来を考えて学部を選ぶと思いますが、その学部で必要な数学や物理の知識が何なのかを高校生が把握するのはほぼ不可能でしょう。各学部を掌握したうえで、『この大学のこの学科ではこの知識が要求されるからこの科目を履修すべき』と判断するのは、高校の先生でも難しいのでは」(永島氏)
難関大学ほど支援体制に乏しい?
こうした事態を受け、文科省では早期に大学に合格した生徒が学習意欲を継続できるよう、入学前教育を積極的に講ずる高大接続の取り組みを推奨している。また、入学前・入学後にリメディアル教育(学習・学習支援)を実施している大学も多くある。

