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「揚げたてのポテチを直送」累計970万袋超の大ヒット 「一時は連続赤字に陥った」湖池屋を復活させた再生戦略の中身

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揚げたてのポテチ
湖池屋の「揚げたて直送便」(写真:筆者撮影)
  • 丹羽 桃子 工場見学マニア・ライター
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筆者は以前、湖池屋の工場で揚げたてのポテトチップスを食べたことがある。その場で味わった感動には及ばないものの、自宅にいながら、それにかなり近いおいしさを楽しめることに驚いた。

1袋当たりの価格は送料も合わせると、関東の場合で約330円。スーパーやコンビニの3倍ほどの価格だ。

「揚げたて直送便」しお味 パッケージからも揚げたて感が伝わってくる(写真:筆者撮影)

それでも、「揚げたて直送便」の販売は好調だ。2026年上半期の販売数は前年同期比約10%増と前年を上回るペースで推移しており、リピーターも少なくないという。

社内では常識だった「ポテチは揚げたてがおいしい」

工場見学では製造ラインからの揚げたてポテトチップスが試食できる(写真:筆者撮影)

「揚げたて直送便」がスタートしたのは2015年。※スタート時の名称は「工場直送便」

オンラインショップを立ち上げるタイミングで、「店頭では提供できない価値を届けたい」という発想から生まれた。

通常の商品は、工場で製造された後、一度倉庫に保管され、卸売業者を経由して店頭に並ぶ。生産から店頭に並ぶまでは、通常1週間ほどはかかるうえ、売り場では先入れ先出しが基本となる。そのため、工場で味わうような揚げたての状態を消費者に届けることは難しかった。

湖池屋中部工場では実際の製造ラインの中に入って見学できる(写真:筆者撮影)

もちろん、通常商品は店頭で最もおいしく食べられるよう、時間の経過も考慮して味付けや品質が設計されている。

それでも、「ポテトチップスは揚げたてがおいしい」という社内では当たり前だった価値を、消費者にも届けられないか。同社はオンラインショップというチャネルの特性を生かし、「鮮度」を新たな商品価値として提供することに挑んだ。

焦げているチップスを自動選別機ではじいた後、人の目でも選別(写真:筆者撮影)

一方で、実現までの道のりは平坦ではなかった。最小ロットや他製品を加味した生産計画や在庫管理、物流の仕組みを一から構築する必要があったからだ。

工場からは「本当に実現できるのか」「検品はどうするのか」といった声が上がり、開発部門からは「通常商品は店頭で最もおいしく食べられるよう味を設計している。その考え方とどう両立させるのか」という課題が挙がったという。

株式会社湖池屋マーケティング本部 広報部長の小幡和哉さんは当時をこう振り返る。

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