さらには、「ザ・ベストテン」をはじめとした音楽番組が視聴率低迷で次々と終了。アイドル冬の時代に入り、バンドブームが到来するなど、音楽シーンも大きく変わっていた。
松田聖子がオリコン1位に再び返り咲いたのは、安室奈美恵をはじめとした小室哲哉プロデュース勢をはじめ、Mr.ChildrenやGLAYなどがミリオンヒットを続出していた96年。そんなJ-POPブームの中、『あなたに逢いたくて〜Missing You~』をリリースし、見事ミリオンセラー(110.1万枚、オリコン調べ)となった。
しかもこの曲は、松田聖子の作詞作曲(作曲は小倉良と共同名義)。コギャル文化が華やかなりし平成に、どっしり大人の魅力を落とし込んだバラードで存在を見せつけたのは、さすがである。
若者が「聖子ちゃんを聞くと若返る」と表現
『あなたに逢いたくて〜Missing You~』は、今もコンサートの定番の1曲となっている。彼女の強みは、こういったヒットシングルだけでなく、B面やアルバム曲にも、大ファンでなくても歌えるくらい認知度の高い名曲が数多あることだ。コンサートでは一緒に口ずさめる曲がとにかく多く、とても楽しい。
ダンサーとともに夢の世界へと誘うようなショータイプの前半、続いてバンドと歌うアコースティックコーナー。そして圧巻は、毎回ファンが待ちわびるリクエストコーナーだ。これは、ファンが歌ってほしい楽曲のタイトルが書かれた団扇やボードを高々と掲げ、松田聖子がそれを見てアカペラで次々と歌っていく、というスタイルである。
21年までオリジナルアルバムもコンスタントにリリースされており、膨大な楽曲数がある。それを、ワンフレーズとはいえ、タイトルを見てパッと楽しそうに歌っていく彼女に驚く。

