もう1つ特筆すべきがMCだ。常に客席からファンからの質問や応援の声が飛ぶコンサート中、それに対して丁寧に応え、時にはユーモアを交えつつ制す。キリのいいところで「次に行っていいですか?」とやさしく切り替える。熟練の司会者さながらの場回しである。この瞬発力と柔軟性。ファンはたまらないだろう。
80年代のヒット曲多め、いわゆる「往年のヒットソング」がたくさん歌われていたが、不思議と、懐かしさより現在進行形のトップアイドルの輝きを浴びた感覚になった。テレビで見るのとコンサートで見るのとで、最も印象が違ったのはそこだった。
以前、松田聖子の大ファンという若者が「聖子ちゃんを聞くと若返る」と表現するのを見たことがあるが、若者すら「若返る」と言いたくなるまぶしさがあるのだ。
時代を超えて残っていく音楽がたくさんある
「歌は年を取らない」。松田聖子はそう語り、今も輝きと夢と季節を響かせている。フリルとリボンを添えて――。
「松田聖子さんに関わって実感したんです、『売れるにはどうしたらいいか?』ではなくて、『音楽がどう残っていくか』を考えるほうが大事。松田聖子は、その極みなんだな、と。」(『ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録〜』シンコーミュージック)
確かに彼女には、時代を超えて残っていく音楽がたくさんある。
永遠の青春。松田聖子はいくつになっても、ふんわりとしたスカートと大勢の観客の歓声が、本当によく似合う。

