しかし今回の事例から、データ漏洩という重大なリスクだけでなく、物流事業者のシステムが止まれば事業まで止まることがはっきりわかりました。可用性(サービスが使える状態を維持すること)という観点で見れば、物流の停止はSaaS障害と同等か、賞味期限が絡む食品ではそれ以上の打撃になります。
「取引先が止まったら何日耐えられるか」を把握する
見直すべきことは3つあります。
第1に、「重要な取引先が突然止まったら、自社は何日間事業を続けられるか」を数字でつかむことです。ニチレイでは7月13日から復旧開始の17日まで丸4日間、システムが停止し、その後も入出庫業務などに大きな影響が生じました。
自社の在庫を日々の販売ペースで割れば、何日で棚が空になるかはすぐ計算できます。サイバー攻撃は復旧時期を事前に読めないからこそ、何日持つのかを先に押さえておくことが、いざというときの判断の土台になります。その日数から逆算して「何時間以内の復旧を目標とするか」、ITでいうRTO(目標復旧時間)を自社で定めておけば、代替手段の要否も判断しやすくなります。
第2に、代替手段を事前に確認しておくことです。「いざとなったら探せばいい」は危険で、最大手が止まった瞬間に多数の企業が一斉に2位・3位へ問い合わせをするので、事態が起きてから電話をしても椅子は残っていません。売上に直結する商品だけでも平時のうちに契約で「緊急時の優先枠」を押さえ、振替先を確保しておくのがいいでしょう。

