新刊『RETIRE SHIFT(リタイア・シフト) 人生100年時代の引退戦略』を上梓した山崎氏が、引退戦略の前提となる、年金制度の今後について解説します。
40年以上前から存在する年金破綻論
日本では、2000年代から10年代にかけて、年金破綻論が盛んに報じられた。
野党政治家は年金について与党を追及して政権奪取に成功したし、年金破綻論を大々的に取り上げたテレビや雑誌などのメディアは、視聴率や販売部数を大いに稼いだ。
しかし、2026年現在も、年金制度は破綻していない。実は、当時の野党政治家も政権奪取後に「年金制度は破綻しない」と訂正している。
実のところ、公的年金が破綻する、という話は40年以上前からささやかれていた。「少子高齢化が進展するので、年金制度は破綻する」「だから金融商品を活用して資産形成を」というストーリーが金融機関で用いられたのだ。
実際には当時想定された少子高齢化以上のペースで社会は変化したのだが、年金制度は破綻しなかった。
今世紀に入っての年金破綻論は、セールストークに加えて、政治的な批判として用いられたことは記憶に新しい。
しかし、年金制度が破綻することはなかった。少子化や非婚化は私たちの想定以上に進んだし、年金受給者数は増加の一途をたどったにもかかわらず、遅配すら一度も起こっていない。
なぜ、年金破綻は彼らの言う通りに実現しないのだろうか。



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