有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #自動車最前線

オスカ、イターラ…「イタリアの伝統的ブランド」復活への期待とバッジエンジニアリングの現実

10分で読める
今年のミッレミリアでイタリアの名門ブランドが復活した
今年のミッレミリアでイタリアの名門ブランドが復活した (写真:O.S.C.A s.r.l.)
  • 越湖 信一 PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表
2/6 PAGES

オスカとイターラ、両ブランドの販売などのオペレーションは、既存のDRとは別個に行われるというが、そのビジネス構造は、これから述べるDR社の手法を踏襲するものであることは間違いない。

DR社の創業者ディ・リシオが構築したビジネスモデルは、徹底した市場分析に基づいた合理的なものだ。同社は、中国の奇瑞汽車(Chery)や江淮汽車(JAC)などのプラットフォームを輸入し、イタリア国内の自社工場で最終組み立てと仕様変更を行い、DRブランドとして販売する手法をとった。

ヴェールを脱ぎ公開された「O.S.C.A. MT6」(写真:O.S.C.A s.r.l.)

この戦略がイタリア市場で成功した主な理由は、圧倒的な低価格にある。欧州の自動車メーカーが、排ガス規制や安全装備の義務化によって車両価格を高騰させる中、DR社は大衆層の求める低価格帯に製品を投入した。

さらに、輸入したエンジンにイタリアで普及しているLPG(液化石油ガス)燃料システムを組み合わせたバイフューエル仕様を主力としたことも、勝因である。環境規制によってディーゼル車が都市部から排除される中、経済性と規制対応を両立したLPG車はユーザーにとって現実的な選択肢となった。

購入しやすい「価格」を大きな武器に

また、単なる並行輸入ではなく、フロントグリルやインテリアをイタリア風に仕立て直してDRのバッジを付けることで、消費者が購入しやすい環境を整えた。その結果、DR社は一時、イタリア国内の新車販売シェアで一部の有名外国メーカーや中堅メーカーを上回る実績を残した。

DR社の製品ラインナップと、イタリア市場における標準的販売価格は以下の通りである。

DR 1.0 EV(小型電気自動車):1万8900ユーロ~(約310万円~)
DR 3/DR 3.0(コンパクトクロスオーバー):1万7900ユーロ~(約295万円~)
DR 4.0/DR 5.0(中核SUV):1万9900ユーロ~(約330万円~)
DR 6.0(フラグシップSUV):2万7900ユーロ~(約460万円~)
DR 7.0(大型SUV):3万2900ユーロ~(約540万円~)

この価格設定がどれほど低いかは、イタリアでの競合モデルと比較すると明確になる。

3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数