一方で劉さんは、日本に暮らす中国人について、「日本社会にあまり馴染めていない人もいる」と指摘する。
「日本で活動している中国人のボランティア団体もあるし、すごく優秀な中国人も日本にはたくさんいます。しかし中国人コミュニティの中では有名でも、日本人にはぜんぜん知られていない。中国人コミュニティと日本人の交流がもっと進んで、そういう人が日本人の間でも、もっと知られるようになってほしい。そうでないともったいないと思います」
中国人より日本人っぽいかも
『百様』の運営を通して、劉さんの中で起きた変化がある。
「いろいろな立場の人と会って、話を聞いていくうちに、視野が広がったと感じています。普段から相手の立場に立って考えることを心がけていますが、そんな考え方もあるんだとよく驚かされます」
来日から14年。その間、日中関係は良くない状態が続いているが、それでも劉さんがこの国で暮らす理由はなんだろう。
「よく中国人は『日本人は固すぎる』と言って、日本人は『中国人は自由すぎる』と言います。その点では、僕自身はちょっと変わっていて、どちらかというと日本人っぽい性格かもしれません。中国にいるときから『そんなところまで気にしなくてもいいじゃないか』なんて、よく言われてました。なので日本生活にそれほどストレスを感じたことはなくて、むしろ落ち着けているかもしれません」
とはいえ初心の通り、故郷のイメージをより良くしたいという思いも強い。
「中国や中国人についていろいろ誤解はあるけれど、本当はそうじゃないよ、いろんな人がいるよっていうことを日本人にもわかってほしい。それが夢ですね」

