相手の名前や住所は聞いていなかったが、男性のXやブログの投稿から、富山県に住んでいるらしいことなどは推測できた。
また、男性は大友さんに、東京行きの片道切符を購入したこと、7月13日夜に富山を出発し、翌14日朝に新宿に到着する予定であることを伝えていた。
危険が差し迫っていると考えた大友さんは、まず、自宅近くの警察署に電話をかけた。
男性から送られてきたメッセージを説明し、「こんなやり取りをしている人がいるんです」と伝えると、警察署の担当者から「110番にかけて、富山の警察署につないで説明してもらったほうがいい」と言われた。
大友さんはすぐに富山県警に電話し、これが結果的に無差別事件の実行を予防するきっかけとなった。
ただその後、最初に電話した自宅近くの警察署から今度は「署員を大友さん宅に向かわせます」と言われたという。
大友さんは「来てもらうのは悪いので、こちらから向かいます」と伝え、家を出た。
すると、途中でまた警察署から電話があり、「来てもらっても何もできないから、来なくていいかもしれません」と一転した対応を受けたという。
大友さんは「『もう関わりたくない』というスタンスを感じました」と振り返る。
「普通の人なら諦める」
大友さんは、2008年に起きた「秋葉原無差別殺傷事件」で死刑を執行された加藤智大氏の友人だった。
事件をきっかけに「加害者も被害者も生まない社会」の実現に向けて活動してきたが、警察から冷ややかな対応を受けることは少なくなかったという。
2023年に、刑務所を出た人らの社会復帰を地域でサポートする「保護司」になり、以前よりは警察が耳を貸してくれるようになったが、一筋縄ではいかないことが珍しくない。

