そして、あなたが相手に違和感を抱いているとき、相手もまた、あなたの「あたり前」に戸惑っているかもしれません。(「はじめに」より)
たしかに、そのとおりかもしれない。嫌な思いをすると、とかく自分だけが被害者であるかのように思いがちだが、こちらが相手に対して知らず知らずのうちに「あたり前」を押しつけている可能性もありうる。つまり、誰もが被害者にも、(無自覚な)加害者にもなり得るわけだ。
コミュニケーションの重要なヒントは「人類学」にある
また興味深いのは、こうした「あたり前」というテーマを真正面から研究してきた学問こそが人類学なのだという著者の指摘だ。
人類学とコミュニケーションには接点などなさそうにも思えるが、実のところ人類学には、コミュニケーションにおける重要な視点が隠されているというのである。
これは単に、学問上で終わる話ではありません。仕事や日常生活にも応用できる考え方です。(「はじめに」より)
ちなみに著者は、筑波大学大学院で人類学を学び、ケニアに住むマサイの人々を対象としたフィールドワークも行ったという経験の持ち主。まさに未知の民族から「あたり前」を学んできたわけである。
そう聞くとますます、人類学とは、そして「人類学的なコミュニケーションのあり方とはどのようなものなのか」が気になってくるのではないだろうか。

