スペイン人の元夫が振り返る“10年の結婚生活”
元夫は、章子さんとの10年間の結婚生活を、今こう振り返る。
「問題から目をそらしても、その問題が解決するまでは同じ石につまずくようになっていると感じます。今も、章子との間で起きたことと同じような課題に、家族やパートナーとの関係で向き合うことがあります。
後悔はしていません。人を傷つけようと思ってしたわけではないけど、結果的に多くの人を傷つけてしまった。それでも、もしあのときオープンな関係にしていなかったら、いっぱいになっていたものが、別の形であふれ出していたと思うんです……」
元夫は昨年、大きな収入源を失い、経済的にも今は一歩ずつ立て直しているところだという。新しく始めた仕事を通じて、自分自身と向き合う時間を重ねている。
章子さんもまた、離婚してから、今まで元夫に任せていた薪割りも自分でするようになった。それも、離婚を経て身に付いたことのひとつだという。
「最初は人に頼もうかと思っていたけど、友だちに道具を借りて自分で挑戦してみたんです。慣れないうちはなかなかうまくいかなかったけど、無心で斧を振り下ろすと、きれいに割れるんです」
経験して見えてくることがある。章子さんの表情は、どこかすっきりとしていた。
(後編に続きます)後編では、3人の子どもを抱え、異国でゼロから生き直していく章子さんの姿を追う。

