このほか、痛みが非常に強い時期には、期間を区切って短期間のみ鎮痛薬の内服を勧めることもある。ただし、鎮痛薬には胃腸障害、腎機能障害といった副作用がみられることがあるので、注意が必要だ。
早期であれば、サプリメントの「エクオール」が有効なこともある。エストロゲンの減少が原因となるため、更年期の症状を改善させるホルモン補充療法が効果を発揮する可能性もある。
「ホルモン補充療法に関しては、手指の症状も軽減したという報告がある一方で、効きにくいという研究報告もあります。したがって、ほかの更年期症状がない方に対して、手指の治療のためだけにホルモン補充療法を行うことは一般的ではありません」(下江医師)
手術を行うのは受診者の1割程度
薬の服用でも痛みが残る場合は、ステロイドの関節内注射を行うことがある。それでも痛みのコントロールが不十分な場合は手術を検討するそうだ。
「例えば、母指CM関節症の手術では全身麻酔で行われることが多く、手術は1時間程度、術後は手術方法にもよりますが1カ月前後、装具やギプスで固定します。当院で手術を選択するのは仕事に支障をきたしている人が中心で、受診される方の1割程度です」(下江医師)
最後になるが、下江医師は手指の変形や痛みが気になる人に対して、一度は医療機関を受診することを勧める。間違われやすい関節リウマチなどの疾患を見逃さないためだ。
「関節リウマチは関節の腫れや痛み、こわばりが特に朝起きたときに出やすいのが特徴で、ヘバーデン結節などと症状が似ています。関節リウマチは近年の治療の進歩で、より早期に治療するほど、良好な治療成績が期待されます。受診先は近所の整形外科でいいと思いますが、アクセスがよければ日本手外科学会が認定する専門医・指導医がいる病院をおすすめします」(下江医師)
(取材・文/中寺暁子)

下江隆司医師


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