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【AI→新規事業も大激変】「AIで誰でも何か作れる時代」決定的に差がつくポイントは?

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新規事業の経営論
顧客理解の浅い企業ほど、AIで作れるものが増えた時代には迷走します(写真:metamorworks/PIXTA)
  • 麻生 要一 『新規事業の経営論』著者・アルファドライブ代表取締役社長兼CEO
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ここで誤解してはいけないのは、MVPが古くなったという話ではないことです。

AI時代になったからといって、すべての新規事業をFPLに置き換えるべきではありません。

むしろ重要なのは、MVPとFPLを使い分けることです。

AIで完成品に近いものを高速に作れる領域では、FPLが有効です。ソフトウェア、Webページ、広告文、営業資料、コンテンツ、提案パターンなどは、その代表例です。

一方で、物理的な制約や現場オペレーションを伴う領域では、従来通りMVPによる段階的な検証が重要になります。店舗、料理、デバイス、ロボット、医療、物流などは、机上で一気に完成品化できるものではありません。

そして実際の事業は、その両方が混ざっています。

たとえば新しい店舗ビジネスを考える場合、店舗そのものをすぐに全国展開することはできません。しかし、ターゲットごとの訴求、予約ページ、広告、会員向けメール、メニュー説明、来店後のフォローなどは、FPL的に高速検証できます。

つまり、事業全体を「MVPかFPLか」と二択で考えるのではありません。事業を層に分けるのです。

どの層はAIで速く作り、市場にぶつけるのか。どの層は人間が顧客現場で丁寧に検証するのか。どの層は物理的な制約を踏まえて段階的に進めるのか。この見極めこそが、AI時代の新規事業開発における経営判断です。

「AIで誰でも何か作れる時代」に差がつくポイントは?

AIを使えば、誰でも何かを作れる時代になりました。

だからこそ、差がつくのは「作れるかどうか」ではありません。

何を作るのか。どこまで作るのか。どの段階で市場に出すのか。顧客のどの反応をもって前に進めるのか。この判断の質が、事業の成否を分けます。

新規事業の常識は、たしかに大きく変わり始めています。

しかし、変わらないものもあります。

顧客の現場に行くこと。顧客の違和感を拾うこと。自分たちの仮説を疑うこと。そして、顧客が本当にお金を払う価値をつくること。

AIは、この基本を代替するものではありません。むしろ、この基本を持っている企業ほど、AIによって事業開発の速度を一気に上げることができます。

「小さく作って試す」だけの時代から、「作れるところは一気に作り、売れるかどうかを早く確かめる」時代へ。

新規事業開発の勝ち筋は、いま静かに、しかし根本から変わり始めているのです。

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