大阪―徳島間は、南海バスも高速バスを運行しているので、同じ系列で競合していたことも確か。フェリー航路はよくここまで長続きしたといえるのかもしれない。コロナによる需要落ち込みから回復が遅れ、現在は働き方改革、人手不足、そして燃料高騰も撤退の要因になっているのであろう。
関西圏との移動では九州ほど遠くないというのも航路が維持できない要因のひとつである。関西―四国間なら橋を渡るだろうし、和歌山―徳島間では需要がそもそも少ない。和歌山―徳島間は所要時間2時間10分ほどなので、トラックドライバーにとっては、その間運転から解放されるというだけで、長距離便と違って睡眠時間が確保できるわけでもない。
「フェリーかつらぎ」の老朽化も要因
現在は「フェリーかつらぎ」(1998年竣工)と「フェリーあい」(2019年竣工)の2隻で8往復している。「フェリーかつらぎ」の老朽化も撤退要因の1つ。新造船を導入しても、建造費に見合った効果は期待できず、かといって「フェリーあい」1隻で運航すると単純計算で1日4往復になり、さらに利用者が減るだろう。この航路には夜行便もあるが、1隻で運航したのでは夜行便はどちらか1方向にしか運航できない。
中古船導入も考えられるが、日本中で航路が減少していて、適当な船が見当たらなかったということも推測できる。
2019年竣工の「フェリーあい」が導入されるまでは「フェリーかつらぎ」に似た姉妹船の「フェリーつるぎ」が運航されていたほか、それ以前は「フェリーくまの」も加わった3隻体制で、その頃は便数がさらに多かった。
現在は大阪の難波―和歌山市・和歌山港間の都市間特急「サザン」のうち、フェリーに連絡する列車が和歌山港まで運行、和歌山港駅は駅とフェリー乗場が連絡橋でつながっている。徳島側では市営バスの徳島駅行きが接続している。「サザン」は特急券の必要な特急型車両4両と、乗車券だけで利用できる一般車両4両の計8両編成で運行している。

