こういった各方面からの圧力を受け、フォードのLFP電池工場計画は一時中断を余儀なくされた。その後、フォードは23年11月に計画の再開を発表したものの、投資額は20億ドル、生産能力は20GWhへと、それぞれ縮小された。
25年になると、フォードはアメリカのEV政策転換という新たな逆風に直面した。地球温暖化に否定的なトランプ大統領は2期目に入りEV優遇策を取り消し、EVを対象とした自動車税の減免策も25年9月に前倒しで終了した。この政策転換を受け、多くの自動車メーカーがEV戦略の修正や減損処理を迫られ、フォードもその例外ではなかった。
車載電池を縮小し蓄電用にシフト
25年12月、フォードは事業計画の見直しを発表、EV関連資産について195億ドル(約3兆1560億円)にのぼる減損損失を計上した。また、一部の車載電池関連プロジェクトを中止する一方で、蓄電システム用電池事業に進出する方針を示した。
フォードとCATLの技術提携によるLFP電池プロジェクトは、基本構想自体は不変としてはいるが、生産能力の一部を蓄電システム向け製品に振り向ける予定だ。フォードは、CATLのLFP電池技術を活用し、既存の車載電池工場1カ所を蓄電システム用電池工場へ転換する計画も進めている。
アメリカだけでなくヨーロッパでも中国製品の大量輸出に対する警戒感が強まっているため、CATLは世界で現地生産体制を築いている。そのうちハンガリーとインドネシアの工場が26年中に操業を開始する予定だ。
(財新記者:安麗敏)
※中国語原文の配信は6月30日

