エンターテインメント性の高かったホラー調の「スリラー」と、それまでのファンク系のグルーブからロック路線に足を踏み入れた「ビート・イット」。映画館の音響設備でそれぞれのリズムとビートに包まれると、自然に涙が溢れる。「ビリー・ジーン」のステージパフォーマンスのムーンウォークも胸熱だった。
本作でマイケル・ジャクソン役を演じた、実甥のジャファー・ジャクソンは、本人よりもいまふうのイケメンだが、劇中では彼がマイケル本人に見えるときが何度もあった。それだけ観客を物語に引き込む芝居とパフォーマンスの力が本作にはある。
三浦大知やBTSメンバーも影響を受けている
マイケル・ジャクソンをリアルタイムで知らない若い世代にとっては、あまりなじみがない過去のスターの映画になり、刺さりにくいかもしれない。しかし、音楽好きなどエンターテインメント感度の高い層にとっては、そうとも限らない。
マイケルの歌もダンスも音楽性も、世界中の多くのアーティストに影響を与えてきた。日本では三浦大知が代表的だが、K-POPでは多くのグループがそうであり、BTSのJ-HOPEやジミンも影響を受けていることを公言している。そんな音楽に関心を持つ層は少なくないだろう。
また、一般層のなかでも、マイケルの音楽に触れれば、どこかで聴いたことがある、推しの曲に近い要素がある、と感じることがあるかもしれない。マイケルという世界的スターの音楽には、観客の裾野をマスに広げるポテンシャルがある。

