暑さによる腎臓のダメージはその場限りではありません。一度傷ついた腎臓は元の状態には戻らないため、腎機能が低下したままの状態が続くことになります。一度でも激しい熱中症で急性腎障害を起こすと、将来的に慢性腎臓病(CKD)になるリスクが高まります。最悪の場合、一時的、あるいはその先ずっと人工透析が必要になります。
肝と腎を弱らせる夏のNG行動
夏の過ごし方の中にも、実は肝臓や腎臓を痛めつける罠が潜んでいます。
1つめが、熱中症予防としてのスポーツ飲料のガブ飲みです。
「熱中症予防にはスポーツドリンク」と思っている人も多いでしょう。もちろん適量なら問題ありませんが、飲みすぎや誤った飲み方は肝臓や腎臓のダメージを引き起こします。
多くのスポーツドリンクには、飲みやすくするために果糖(フルクトース)が含まれています。脱水状態のときに、果糖が含まれたスポーツドリンクを一気に飲むと、炎症や酸化ストレスが生じて腎機能を低下させてしまうことが、アメリカでの研究などでわかってきました。また、果糖は脂肪肝が悪化する原因となりやすく、肝障害も悪化させます。
水分の補給には、果糖が入っていない経口補水液、適度な塩分(0.1~0.2%)を含んだ水やお茶を選ぶのが正解です。ただし、経口補水液には塩分が比較的多く含まれているため、血圧が高い人・降圧薬を飲んでいる人は、主治医などに飲んでいいか確認を取るようにしましょう。血圧に問題ない人でも、飲みすぎは塩分過多を招くので、経口補水液だけに頼るのはよくありません。
2つめは、薬の服用です。
月経痛や頭痛で痛み止め(NSAIDs)を飲まれる方も、この時期は注意が必要です。腎臓の血流を低下させてしまうおそれがあるからです。痛み止めだけでなく、アレルギーの薬(抗ヒスタミン薬)も汗を出にくくして体温調節を妨げる作用があるので、要注意です。
これらの薬を飲んだときは、普段以上の水分摂取が必要です。

