医療機関では必要に応じて、血管内で血液が固まっているかを示す「Dダイマー」という指標をチェックし、2~3日後の肝臓の状態を推測しますが、病院に行かなければ肝臓の状態はわかりません。
ですから、周囲の人が熱中症で倒れた場合、回復したように見えても数日間は無理をさせないこと、熱中症のあと数日して体調が悪化したらすぐに医療機関を受診すること、この2点をぜひ覚えておいてください。
腎機能を低下させる3つの理由
肝臓と並んで、熱中症でダメージを受けやすいのが腎臓です。
腎臓は体内の老廃物を濾過し、水分のバランスを整える“24時間休まず働く高性能な浄水フィルター”のようなもの。大人では毎日ドラム缶1本分(約200L)もの血液を濾過していますが、酷暑が続くと、このフィルターにダメージを受けます。そのメカニズムは大きく3つあります。
・脱水によるダメージ
大量の汗をかいて脱水状態になると、体を巡る血液の絶対量が減っていきます。すると体は、なんとか血圧を維持しようとして昇圧ホルモンを分泌し、腎臓の血管をギュッと縮めます。これにより、尿を作ることができにくくなります。熱中症になるとおしっこが出にくくなるのは、このためです。
さらに、この状態が長く続くと腎臓自身に血液が届かなくなるため、酸欠が起こって細胞が次々と壊死し、腎機能が低下していきます。
・結晶化した尿の成分によるダメージ
体内の水分が極端に減ると、おしっこはドロドロに濃縮されます。すると、本来なら尿に溶けている尿酸などが結晶化します。これらが腎臓の尿細管を傷つけます。
・筋細胞破壊による老廃物ダメージ
猛暑下で激しい運動(サッカーやランニングなど)をすると、筋肉の細胞が破壊されます。壊れた筋肉の成分は血液に乗って腎臓に届き、フィルターを詰まらせてしまうことがあります。さらに、熱中症の影響で筋細胞が死ぬ横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)という事態になれば、フィルターの目詰まりが大規模に起こり、腎臓の機能は一気に低下します。

