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「アジの釣り船で"クロダイ"が…」 急速に様相を変える"東京湾の生態系"の深刻 天然マダイとの違い、味の実力は?

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2024年2月に筆者が釣り上げた40cm弱のクロダイ
2024年2月に筆者が釣り上げた40cm弱のクロダイ(写真:筆者撮影)
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一方、工藤氏はクロダイにとっても主食の「ムラサキイガイ」が岸壁などから消滅したことは、厳しいだろうと話す。

ムラサキイガイ(画像:工藤氏提供)

それでも、本来底層に属するクロダイは、「かなり幅広い生活域を持っている」と述べ、「海にエサが欠乏しているので、河口や川にも進出している」と話す。

雑食性で、堤防や護岸に付着した貝、エビ、カニをはじめ何でも食べる。クロダイを釣ったアジのエサは、「赤タン」と呼ばれるイカの切り身を細かく切り、赤く着色した米粒ぐらいのものである。

河口付近では、藻類やエビなどを食べているという。工藤氏は「塩分の変化にも、水質汚濁にも強い。そういった特性を兼ね備えているので、しぶとく生き残っている。ライバルはいない」と語る。

成長するとオスになる魚とメスになる魚に分かれるが、クロダイはオスからメスへ性転換する代表格だという。大きくなると50cmくらいになる。また、横浜港などコンクリートで固められた都市部の港湾は、貝類が付着し、甲殻類も生息しているため、クロダイにとって格好の生息地だといえる。

それでもなおエサが不足しているので、養殖ノリなども食べてしまうため、「食害魚」のレッテルを貼られてしまう。

クロダイの全国漁獲量は減少

クロダイは西日本では「チヌ」と呼ばれ、食文化も根付いている。水産庁の統計によると、クロダイの全国の漁獲量は2019年の2406トンから2024年に2201トンへ減少した。

一見すると、身近でクロダイが増えているという印象と矛盾しているようにも感じるが、地域によってバラツキがある。主要産地である兵庫、大阪、岡山では増えている一方、広島や福岡では減っている。神奈川は小幅増加している。

筆者が釣り上げたクロダイ(2024年2月)(写真:筆者撮影)
クロダイが釣れた護岸近くの釣り場(写真:筆者撮影)

個体によっては臭気があるため「おいしくない」といったイメージと価格が比較的低いので、漁業者が積極的に漁獲していないとの見方がある。平均価格が年間で最も高い3月でも、天然マダイが1kg当たり1484円であるのに対し、クロダイは785円と半額程度だ(東京都中央卸売市場 2025年統計情報)。

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