しかし、日常的なSiri AIの価値は、iPhoneやMacを買った人が追加料金なしに使える点にある。AI利用がサブスクリプション化し、月額数千円の高性能モデルが当たり前になる中で、アップルは「毎日使える無料AI」をOS標準機能として提供しようとしている。
Siri AIは勝てるのか?2段階で評価する
競争力の評価は、2つの段階で考えるべきだ。
第一に、純粋な知能や推論力では、Siri AIが常にChatGPTやGemini、Claudeの最上位モデルを上回るわけではない。また、デバイスのチップ性能(とメモリのサイズ)に応じて、搭載するモデルのサイズも異なる。
簡単に言えば、メモリ16GB、ストレージ256〜512GBが現在の標準となっているMacには、最大規模のモデルを搭載する。しかしメモリもストレージも小さなiPhoneには、これより軽量のモデルを搭載することになるという。
長大な調査、専門的なコード生成、複雑な分析では、クラウド型最先端モデルのほうが有利な場面は大きく残るだろう。このことからも、Siri AIが、最先端モデルの代替を狙ったAIではないことがわかる。
第二に、日常利用では、Siri AIに強い競争力がある。AIの価値はモデル性能だけで決まらないからだ。
起動の速さ、手元のデータとの接続、OSの文脈理解、プライバシー、無料で使えること、そして何より「意識せず使えるOSとの統合」が重要になる。

