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累積赤字1700万円から黒字化へ——奈良シニア大学代表が貫いた"シニアの居場所"づくり《なぜスクール運営だったのか》

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矢澤実穂さん
奈良シニア大学を立ち上げた矢澤実穂さん(写真:筆者撮影)

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平均年齢74歳、学生約350人が集う「奈良シニア大学」について取材した記事の後編です。
前編:平均74歳の学生350人が集う"シニア大学"の熱気《この年で飲み仲間ができるとは…》人生後半の学びと出会いで得るもの

「人の死に慣れることがない、慣れたくないと思っているんです」

取材中、涙で眼を赤くしながら奈良シニア大学の代表・矢澤実穂さんは、ぽつりと言った。

前編で紹介した、活気あふれるシニアたちの笑顔とは裏腹に、彼女がこの場所を創り上げるまでの道のり、そして根底にある思いは、想像以上に壮絶なものだった。

「誰にも話したことはなかったですね。忙しくて、自分のことを振り返る余裕がなかったです」

人のために捧げてきた道のりだったからだろう。福祉の現場は、きれいごとでは済まないことの連続だったという。

【写真を見る】累積赤字1700万円から黒字化へ——奈良シニア大学代表が貫いた"シニアの居場所"づくり《なぜスクール運営だったのか》(4枚)

シニア大学を立ち上げた原点

かつて高齢者向け介護施設で働いていた矢澤さんはたびたび、利用者の死に直面した。

ある男性は、ベッドの上で息を引き取る間際に「カレーが食べたい」と叫んだ。しかし、身体の状態を考慮すると食べさせてあげられず、矢澤さんはただその声を聞くしかできなかった。

また別の男性は「他人の世話になるくらいなら」と、介護を受けることへの葛藤を抱えた末、自ら命を絶った。遺された家族が泣き崩れる姿を前に、矢澤さんは立ち尽くしたという。

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