「おべんとーう、おべんとーう」
北九州市・折尾駅のホームで、低く伸びる声が響く。首から木箱を下げた男性が、身振り手振りで箱の中の弁当をアピールしている。ホームで駅弁を売る「立ち売り」だ。
かつては全国各地の駅で見られた光景だが、今やほとんど姿を消してしまった。そうしたなかで、1921(大正10)年から立ち売りを続けているのが福岡県北九州市の老舗弁当屋「東筑軒」である。
看板商品の「かしわめし」は100年以上にわたって愛され続けてきた。九州駅弁グランプリで過去に何度も受賞しており、福岡を代表する駅弁である。鶏のスープで炊き上げたごはんに、甘辛く味付けした鶏肉と錦糸卵、海苔のトッピングが絶妙にマッチしている。
そんな東筑軒が2026年4月25日、本社1階を全面リニューアルしてロードサイドモデル1号店をオープンした。これまで駅弁として親しまれてきた「冷めてもうまいかしわめし」を、店内で炊き上げたできたての温かい状態で食べられるという。
しかも、その価格はなんと一杯290円(税込み、以下同)。
どんな店なのか訪問して確かめてきた。

