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やっぱり難解に…次期学習指導要領「現場の先生にわかりやすく」に黄色信号?元文科省キャリア官僚が感じた違和感

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パソコンを見ながら顔をしかめる女性
(写真:jessie / PIXTA)
  • 寺田 拓真 広島県総務局付課長、福山市教育委員会 学校教育部参与
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第1に、現在の学習指導要領は、複雑で読み解くことが難しい、ということ。そして第2に、「教える内容」が多すぎて、「使える」学力を育む時間がない(教科書を終わらせるので手一杯)、ということです。こうした反省に立ち、次の学習指導要領は、

① わかりやすく使いやすいものとすること
② 学校現場に「余白」を生み出すため、「教える内容」を精選すること

が目指されています。では、具体的にどのようなものになりそうなのか? 以下の図をご覧ください。

◎学力のレベルと学習指導要領(次期)

(画像:石井英真. (2020). 『授業づくりの深め方―「よい授業」をデザインするための5つのツボ―』ミネルヴァ書房. を参考に筆者作成)

みなさんの第一印象はこうでしょう。「もっと複雑になってるじゃん!」。おっしゃるとおりです。「見方・考え方」だけでも理解が難しかったのに、「統合的な理解」「総合的な発揮」も追加されて、より複雑な構造になっています。

僕も最初、これを見た時、「『わかりやすく使いやすい』はどこへ……?」と思いました。でも、よくよく考えてみて、このような構造になっている理由が理解できました。以下、解説していきます。

小学校では「動機付け」、中学校・高校では「転移」の問題が深刻

次期学習指導要領を読み解くには「2つのポイント」があります。まず、前提として、「前回改訂の前後で、授業はどのように変わったのか」を見ていきましょう。

一般的に、「使える」学力を育むためには、「知識をアウトプットする活動」が大切だと言われます。ですから、前回改訂においても「主体的・対話的で深い学び」の重要性が強調されました(質の良し悪しは一旦置いておいて)。こうした授業中の「活動」にフォーカスを当てた場合、ざっくり以下のように整理することができます。

これを見ると「小学校はよい方向に向かっているんだな。問題は中学校と高校か!」と思われるかもしれませんが、実際のところはそうシンプルではありません。中学校と高校に課題があるのは間違いありませんが、小学校にも新たな課題が生じているのです。

冒頭に記載した「2つの最重要課題」のうち、小学校では「動機付け」の問題が、中学校・高校では「転移」の問題が、より深刻で喫緊の課題です。それを前提とした上で、まずは小学校について見ていきたいと思います。

小学校は、もともと、グループ学習、学び合い、ペアトークなどの活動が、比較的多い状況にありました。それが前回改訂後、さらに増加しています。問題はその「中身」で、活動を行うこと自体が目的化してしまい、「活動あって学びなし」となっている状況が多く見て取れます。サッカーの例で言えば、さながら、ミニゲーム中心で、ドリブルやパスなどの基礎練習が乏しい授業になっている、ということです。

動機付けには「できた、わかった」という経験の積み重ねこそ重要です。そうであるにもかかわらず、集団での活動量が増えた結果、1人で考える時間が減少しています。そして、集団での活動の場合、「一部の児童のみが活動を引っ張り、ほかの児童は何もしていない」という状況に陥りがちです。

その結果、基礎的な内容の定着がおろそかになり、学力はもちろん、やる気の面でも、子どもたちの間の格差がますます増加しています。

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