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これほど魅力的な記者会見があっただろうか。
記者たちを通じて、金融市場も一瞬で、ケビン・ウォーシュFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)新議長に恋に落ちた。
ウォーシュ時代の始まりであり、新しいアメリカ中央銀行の歴史、いや中央銀行そのものの新しい歴史の始まりだ。今後5年または10年間、金融市場はウォーシュに支配されるだろう。
この歴史的な事件のため、今回は、本来は、この連載の最後の章の経済政策編で扱うべきであったイシューにつながる話をしよう。
中央銀行ウォッチャーという害悪
世の中には、中央銀行ウォッチャーという人々がいる。中央銀行の金融政策の変更は、金融市場に大きな影響を与えるため、中央銀行関係者の発言の含意、金融政策の変更に限った含意を、発言の解釈によって分析する人々だ。
要は、ご主人様のご機嫌伺いで、ほかの召使たちに、ご主人様の機嫌、お気持ちをいち早く伝え、ご主人様の逆鱗に触れないようにみんなで備える、という役である。たまに傲慢な召使がいると、ご主人様を召使たちの都合のよいように動かそうとして、気の弱いご主人様の選択肢を奪うように、召使チームで既成事実を作って追い込むこともある。
つまり、くだらない、意味のない、いや、害悪のある仕事なのである。
ウォーシュは、最初の記者会見で、それを高らかに宣言したのである。
「政策の透明性が低下し、市場が揺れ動く」のか
いわゆる中央銀行ウォッチャーと言われる人々、そのほか市場関係者はまったくわかっていない。有識者の反応として報道されているのは、ウォーシュ時代となって、透明性が低下し、市場のボラティリティーが高まるだろう、というネガティブなもの一色だ。
中央銀行が手の内を明かさないことを選んだ、われわれは非常にやりにくい、したがって、統計データの解釈で市場は大きく揺れ動き、また中央銀行の政策の発表がサプライズとなり、リスクは高まる。だから、リスクプレミアムを含む利子率は上昇し、金融市場にも経済にもマイナスだ、という具合である。
まったく間違いだ。
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