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キャリア・教育

「極端な意見に流される日本人」が増えている本当の理由 「"強い言葉"にすぐ振り回される人」に欠けた視点は?

6分で読める
東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」
わかりやすい言葉ほど、注意が必要です(写真:C-geo/PIXTA)
  • 市野瀬 早織 元渋谷教育学園渋谷中学高等学校 国語科専任教諭 市野瀬教育研究所 所長
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人が極端な意見に流されるとき、多くの場合、「片側の情報だけ」を強く見ています

たとえば、次のような文章があったとします。

「子どもには、自由に好きなことをさせるべきだ。好きなことに夢中になれる子は、自分で考え、行動できるようになる」

この文章だけを読むと、「なるほど、やはり子どもの自由を尊重することが大切なのだ」と感じるかもしれません。

では、次の文章はどうでしょうか。

「子どもには、一定のルールや課題も必要だ。やりたくないことにも向き合う経験が、将来の粘り強さを育てる」

こちらを読むと、「たしかに、自由にさせるだけではいけない」と思う人もいるでしょう。

どちらも、完全に間違っているわけではありません。

大切なのは、どちらか一方を選ぶことではなく、この2つの意見が何を比べているのかを見抜くことです。

・「自由」と「ルール」
・「自主性」と「粘り強さ」
・「好きなことに熱中する経験」と「苦手なことにも向き合う経験」

このように並べてみると、議論の焦点が見えてきます。

つまり、問題は「自由が正しいか、ルールが正しいか」ではありません。どの場面で自由が必要で、どの場面でルールが必要なのか、この違いを考えられるかどうかなのです。

対比の両側を見る

私は現代文の授業で、難しい文章を読むときほど、「対比」に注目するよう生徒たちに伝えてきました。

対比とは、2つのものを並べて、その違いや特徴を比べることです。

文章の中では、書き手が何かを強く伝えたいとき、しばしば対比が使われます。なぜなら、片方だけを説明するより、反対側や別の立場と並べたほうが、書き手の考えがはっきり見えるからです。

たとえば、

・「古い働き方」と「新しい働き方」
・「知識を詰め込む教育」と「自分で考える教育」
・「効率を重視する経営」と「人の感情を大切にする経営」

こうした対比を見つけると、文章の中で何が問題にされているのかが見えやすくなります。

逆に、対比を見つけられないまま読むと、強く書かれている言葉だけが印象に残りやすくなります

「古い働き方はダメだ」「詰め込み教育は意味がない」「効率重視の経営は冷たい」というように、文章の一部分だけを切り取ってしまうのです。

しかし、書き手が本当に言いたいことは、そこまで単純ではないことが多いものです。

対比の両側を見てはじめて、文章の意図が立体的に見えてきます

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