今回の法案取りまとめを主導した自民党の松野博一元官房長官は「国旗を大切に思う国民の感情をしっかりと守ることを第一に考えた」と胸を張る。一方、土壇場で法案の共同提出に加わった国民民主党の玉木雄一郎代表は「表現の自由に対する懸念の部分を削除する修正を勝ち取ることができた」と自らの“成果”をアピールした。
これに対して、中道の小川淳也代表は「国民の自由や人権、表現行為を萎縮させかねない法案は、慎重に審査する必要がある」として、共産党などとともに国会論戦に厳しい態度で臨む構えだ。
賛成派の4党は「表現の自由などに配慮する規定も盛り込まれていることなどを丁寧に説明し、できるだけ幅広い賛成を得て今国会で成立させたい」(自民党の国対担当者)としており、今後は活発な国会論戦が展開されることになる。
維新内部からは藤田共同代表への「独走批判」も
国旗損壊罪の制定に「高市首相が長年こだわってきた」(自民党幹部)のは、永田町では周知の事実。ただ、今回の法案取りまとめの段階では「処罰規定のあいまいさ」などをめぐり、推進・反対の両派から「疑問点が多すぎる」(中道幹部)との指摘が相次いだ。最終的には「それが解消されないままの法案提出」(自民党幹部)となった格好だ。
国旗損壊罪法案の4党共同提出について、自民党のプロジェクトチーム座長を務める松野氏は16日、ほかの3党の代表者と並んで記者団の取材に応じた際、「法案の性質上、多くの党派による共同提出の形が取れたことはよかった」と笑顔で語った。
そもそも、同法案をめぐる政界での“位置づけ”が大きく変わったのは、昨年10月の自維連立による高市政権の発足からだ。
高市首相は年明けの衆院選での街頭演説などで、維新との連立合意書に国旗損壊罪の制定が盛り込まれた経緯について、「連立協議の中で、維新から『実現しましょうよ』と言われた」と明かしている。
これについて維新の藤田文武共同代表も、インターネット番組などで「国旗損壊罪は僕たちが『やりませんか』と提案した。高市さんの著書や主張を勉強し、賛同したことを(合意書に)書いた」と得意げに説明する。

