ただ、同党の一部議員は「そもそも国旗損壊罪は党の公約に掲げたことがない。合意書作りに関わった藤田氏らがやりたかっただけだ」と、党執行部の“独走”だと耳打ちする。
これまでの自民党内の議論でも、反高市グループの筆頭格とされる岩屋毅前外相らが「憲法が保障する『表現の自由』や『思想・良心の自由』に抵触する可能性がある」などと主張してきた。
これに対し、自民党のプロジェクトチームは「侮辱などの『目的や意図』を処罰の適用要件から外すことで、内心に立ち入らない」などとする妥協案を提示。併せて「法が守ろうとする利益や価値を意味する『保護法益』は『国旗を大切に思う国民感情』」とし、国旗の尊重義務は設けなかった。
ただ、こうした“配慮”によって「法案があいまいで、わかりにくい内容になった」(自民党幹部)側面は否定できない。
以前から「バツ印を付けた国旗を演説会場に持ち込んで振る行為」を問題視してきた参政党は、そうした行為を「処罰の対象外」とした自民党プロジェクトチームの法案説明に対して「拍子抜けだ」(同党幹部)と不満を隠さなかった。
参政党の支持者が多いネット上では、X(旧ツイッター)などで自民党の一連の対応について「理不尽の極み」などと反発する投稿が目立っている。そうした状況も踏まえて、参政は法案の付則で「法施行後3年をメドに所要の措置を講じる」として将来の内容見直しが担保されたことで、「最終的に共同提出に加わることを決めた」(同)とされる。
高市首相の本音は「関わりたくない」?
一方、16日に法案への対応を協議した国民民主党の会合では「本当はいらない法案だ」との意見が相次いだという。ギリギリのタイミングで対応を決めた玉木代表は、その後の記者会見で「(あいまいな処罰規定に)歯止めをかけていく役割を果たしたい」と釈明したが、同党内には「右からも左からも『不要だ』と言われる法案で誰が得するのか」(幹部)との不満・疑問も根強い。
18日に一連の首脳外交を終えて帰国する高市首相は、周辺に対して「今後も外交日程が続くので、(国旗損壊罪に関する審議は)4党の担当者に任せる」と漏らしているとされる。だが、政界関係者の間では「支持率が下落傾向にある中で、国民感情を刺激するような審議には関わりたくないのが本音」と揶揄する声も広がる。


