宿に入り、ひと通り管理人の説明を受けてから、まずは日ごろの垢を落としに、温泉へ入ることにしました。各自割り振られた部屋に荷物を置き、浴室に向かいます。
浴室のドアを1枚隔てた外の階段を降りると、4~5人入ればいっぱいになるくらいの露天風呂がありました。眼下には山の緑、そして遠くには海が広がっています。
「うわあ、眺めがいいね」
皆で感嘆の声を上げました。露天風呂があるところ、というのは宿を探すうえで絶対条件でした。種類はわからないけど、ホエーホエーと鳥の声も聞こえます。やはり、外の空気を吸いながら風呂に浸かるのは至福です。
「好きな人と来たいですね」
そして何より裸の付き合いをすると、友人としての距離も縮まる気がするので、好きなんですよね。若い頃は同性でも知り合いに裸を見られるのは恥ずかしかったのに、そういう羞恥心は歳を追うごとになくなり、今では影も形もありません。
「好きな人と来たいですね、こういうとこ」
Hちゃんが海を眺めながら言いました。
