実際に暮らしてみて便利だと感じたのは、「コモア内にスーパー、クリニック、小学校があるところ」という。
一方、市役所や福祉センター、市立病院などには車がないと行かれない。「気の利いた買い物、レストラン、美術展、コンサートなどは都内に出ないと用が足りないが、電車の本数が少なく、行き帰りが不便」とも語る。
コモアしおつの暮らしは、まちの中と外を行き来しながら営まれている。
生活に必要なインフラを備えた「コモアしおつ」
バブル期に計画され、コモア・ブリッジをはじめ生活に必要なインフラをそろえて生まれた「コモアしおつ」。交通手段と生活利便性が整えられていたからこそ、山の上の住宅地としての暮らしが成り立ってきた。
しかし、このまちのフシギさ、奥深さは、斜行エレベーターだけではない。一歩まちへ足を踏み入れると、35年が経過したとは思えないほど美しく整えられた、圧倒的なまちなみが広がっているのだ。
続く後編では、建築家の宮脇檀さんが込めたまちなみの仕掛けと、住み続けるまちとしてのリアルな課題に迫る。
【参考文献】
『エレベータ界』27巻105号(日本エレベータ協会、1992年1月)
『都市と交通』25号(日本交通計画協会、1992年11月)

