そして依存への直接の答えが、利用時間の管理だ。ここでアップルが面白いのは、「ゲームは何時間まで」と個別に区切るのではなく、娯楽的な利用に費やす総時間で考える発想を採っている点だ。
担当者によれば、専門家の研究も、カテゴリーごとに細かく区切るより、娯楽に費やす総量こそが大事だと示しているという。たとえば総枠が1日30分なら、その中でゲームに使うか動画に使うかは自由に配分でき、必要なら「ゲームは20分まで」と個別の上限を別に絞ることもできる。
禁止して取り上げるのではなく、限られた時間をどう配分するかを一緒に考える。その思想が、利用時間の管理にも一貫して流れている。設定の際には専門家の研究にもとづく年齢別のガイダンスが示され、親はそれを出発点に各家庭のライフスタイルに合わせて調整できる。
共通する思想は「監視ではなく対話」
3つのチェックポイントを貫くのは、親が完全に管理して監視するのではなく、守りの土台を用意したうえで、子どもと対話しながら手綱を緩めていくという考え方だ。
それが端的に表れたのが、現地の質疑応答でのやり取りだった。担当者は「連絡先の承認がデフォルトでオンになるのは13歳以下。それ以降は親子の会話次第で、健全な関係の中で何が適切かを話し合っていくものだ」と語った。
13歳は日本でいえば中学1年生にあたる年齢だ。つまり、おおむね小学校を卒業するまでは守りを固め、その先は対話で調整していくイメージになる。アップルが用意するツールは、あくまで対話の出発点である。その姿勢が、取材を通して最後まで一貫していた。

