仲人の経験則から言えば、その推測はおそらく間違っていない。
結婚相談所では、仮交際中に複数の相手と並行して交際を進めることは珍しくない。
並行交際だからこそ、会いたいと思う相手には、自ずと時間を確保しようとするし、予定も早めに押さえる。反対に、空いたところにしか入れられない相手は、残念ながら“第1希望”ではない可能性が高い。
そして恋愛や婚活には、1つの残酷な法則がある。誰かの2番手、3番手に据えられている人が、1番手がいなくなったときに、そのまま繰り上がって本命になることは、ほとんどないといっても過言ではないのだ。本命が去れば、新たな本命候補が現れることのほうが圧倒的に多い。
ようたが交際終了を決断したのは、賢明な判断だったと言えるだろう。
結婚の話題が…出ない
さとえ(41歳、仮名)は、結婚相談所で婚活を始めて8カ月になる。これまでに10人とお見合いをしてきたが、「また会いたい」と心から思えた相手はいないと感じていた。
婚活に疲れ始めていたのだが、11人目とお見合いし、仮交際に入ったしげる(45歳、仮名)には、好感触を抱くようになった。すでに4回のデートを重ね、お見合いを含めれば5回会っていることになる。しげるはお酒が好きで食の好みも似ており、何より話が面白かった。
しかし、回数を重ねるほどに、どうしても拭えない疑問を抱くようになった。5回も会っているのに、2人の間で“結婚”の話題がほとんど出てこないのだ。
会話の内容は、旅行好きのしげるが訪れた海外の話、最近読んだ本や観た映画の感想、珍しいお酒や食べ物の話、学生時代の思い出話など。どれも楽しく、会話が途切れることはない。
けれど、それはどこか、気の合う異性の飲み友だちと過ごす時間に似ていた。

