――新社長としての方針を教えてください。
合併まで1年を切り、準備を進める中で、伝統と責任の重さを改めて感じている。損保業界におけるこの数年の負の歴史を見てもわかるとおり、従来型のビジネススタイルはもはや通用しない。合併を機にビジネスモデルの変革を進めていく。
現場の声こそが会社を変革していく原動力になる。そのため4月までに全国8拠点150人の社員と対話をした。不安の声が出てくるかと思っていたが、若手を中心に前向きに進めていきたいという声が多い。
MS(三井住友海上)の強みは、専門性の高いスペシャルティ保険が充実していること、三井と住友グループをはじめとした企業ネットワーク、グローバルでの対応力だ。一方、AD(あいおいニッセイ同和)は地域貢献で連携する自治体数がMSの1.5倍にのぼるなど、リテールでの地域密着に強みがある。
両社の提携自治体数を合計すると800超になるが、ADの地域課題に対するソリューションにMSの強みを掛け合わせることで、さらに質の高いソリューションが提供できる。4月からは「部支店サポート部」という組織を新設し、現場の声を吸い上げて本社の施策に反映させていく取り組みを始めている。
新納社長と手を取り合い二人三脚でやっていく
(ADの)新納(啓介)社長とは、手を取り合って二人三脚でやっていく姿勢を社員に示すことが極めて重要という考えで一致している。4月にMSが開いた全国部支店長会議では、壇上に2人で上がって握手をし、ADが開いた同様の会合でも2人で壇上に立った。
今は「知る」「認める」「リスペクトする」という3つのキーワードを、社員に繰り返し伝えている。どちらがよいやり方なのか、どちらが正しいのか、ということではなく、新会社を念頭に置いたうえで何がベストなのか、お互いをリスペクトしながら考えていく。
私は昨年度まで経営企画の担当役員を務めており、システムや人事制度、商品面などについては合併に向けた準備がおおむね整っている。ここからの1年は現場同士の融合を見守り、ときに後押ししていくフェーズに来ている。
――全国の支店、支社の統合はどのように進めていくのでしょうか。
企業営業部門など、本社部門の同居をすでに始めている。(MSの本社がある東京の)駿河台に席を置いて同居し、お互いの考え方や業務の進め方などの融合を図っている段階だ。地方の拠点については、MSとADのオフィスがそれぞれあるので、どちらかのスペースに余裕があれば入ってもらい、両社の社員が入りきれない場合は新しくビルを借りて同居をする。福岡や大阪の一部は、新設のオフィスビルに入居する計画だ。
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