それだけ部屋が荒れていても、女性はブランド物の服やバッグを持ち、外ではおしゃれに気を配っていた。
「見た目ではゴミ屋敷の住人とはまったくわからないです。この女性はむしろ、清潔にされていた印象です」
イーブイ代表の二見氏はそう話す。テレビなどで見かける、道路にまでゴミがあふれているようなケースはほんの一握りだ。現実には、家の外観や本人の見た目だけでゴミ屋敷か否かを判別できることなど、まずないという。
「以前、銀行で受付のお仕事をしている女性から相談をいただいたことがあります。お会いすると、見た目も清潔で髪もツヤツヤです。対応も普通の人以上にしっかりされていましたが、自宅はかなり深刻なゴミ屋敷でした。男性のほうがまだ見た目と部屋がリンクした方が多かったですが、女性の場合は本当にわかりません。おそらく、普段から外見に気を遣うことに慣れているんでしょうね」
「本来あるべき場所」にモノがない家
今回の女性も、まさにその一人だった。家にいる時間よりも外に出ている時間のほうが長く、家が「過ごす場所」ではなく、「ただ荷物を置く場所」になっていた。
家にどれだけ重きを置くかは驚くほど人によって異なり、すべての人が住環境を最優先にしているわけではない。どうでもいいと思っている人もいるのだ。
家の中のモノの置き方には、女性の住環境への無頓着さが表れていた。高価なブランド物のバッグが、玄関に直置きされている。出かけるときにすぐ持っていけるから、という理由なのだろうが、これに象徴されるように、本来あるべき場所にモノがない家だった。
作業中、探していた印鑑が、なぜか風呂場の鏡の前から出てきた。玄関にはゴミが溜まっているので置く場所がない。だから宅配業者が来たときにすぐ出せるよう、玄関の近くにあった風呂場の空いたスペースに置いてしまったのだろう。
