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3度沈んだ「廃墟百貨店」を蘇らせたのは「電気屋」だった…広島・福山そごう跡地、30年目の逆転劇

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「iti SETOUCHI」の週末のイベント風景(写真:iti SETOUCHI)
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建物内部を通る通路。天井のむき出しの配管も、屋外を思わせる(写真:筆者撮影)
公開空地を建物内部に引き込んだことにより、建物の外側にキッチンカーを置いたり飲食スペースを設けたりできるようになった(写真:iti SETOUCHI)

全館空調は設けなかった。代わりに、建物の中心にあるエスカレーターを活用した。この空間を「吹き抜け」と見立て、屋上の換気口で自然換気できるようにしたのだ。同時に、公園で使われるような金網でエスカレーターを囲み、屋外感を強めた。

屋上を開ければ風が通る、巨大な「吹き抜け」(写真:筆者撮影)

周辺地域との物理的な連続性も考慮した。建物内を6つの街区に区分し、それぞれが建物の周りとつながるように配置。商店街に近いところに飲食店エリア、住宅街側にオフィスゾーン、美術館や福山城の側にイベントやものづくりを行うスペース、という具合だ。街区ごとに素材も変えた。「オフィスエリアにはガラスパーティションを用いて洗練された空気感を、飲食エリアにはガルバリウム鋼板で飲食小屋のような雰囲気を作っています」(竹内さん)

あえて直線ではなく凸凹に配置し「この先を曲がると何があるのか」を期待させる(写真:筆者撮影)
館内は周辺のまちとつながっている(画像:iti SETOUCHI)
「屋根のある公園」として、施設内の50%がパブリックスペースとして活用されており、放課後の中高生や散歩の途中で立ち寄る市民などが自由に過ごす(写真:筆者撮影)

そして、最も大きな決断が、「竣工」という概念の放棄だった。

「完成したと言い切った瞬間に、施設の生命活動は止まります。常に未完成で常に変わり続ける場所にすることで、みんなの挑戦の場になるのです」(島田さん)

正式には「未完成」のまま、開業の日が近づいていた。

建物内には、福山市内の工場の廃材をアップサイクルした家具が置かれている(写真:筆者撮影)

予算5000万円オーバー、それでも扉は開いた

iti SETOUCHI (写真:iti SETOUCHI)

2022年9月30日、「iti SETOUCHI(イチセトウチ)」は工事中の未完成の状態のまま「半分開業」を掲げてオープンした。

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