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3度沈んだ「廃墟百貨店」を蘇らせたのは「電気屋」だった…広島・福山そごう跡地、30年目の逆転劇

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「iti SETOUCHI」の週末のイベント風景(写真:iti SETOUCHI)
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転機となったのは、東日本大震災だった。エネルギー事業の重要性を認識した島田さんは、2012年に福山に戻って家業に入る。2018年、33歳で4代目の社長となった。

「帰ってきたからには、このまちでおもしろいことをしたい」

そう考えた島田さんは、サイクリング仲間とともに一般社団法人「せとうちPEDAL Life」を設立。バーベキューやサウナ、イタリア野菜の栽培など、瀬戸内の魅力を伝える企画を次々と仕掛ける中で、人脈が広がっていった。

そこで、つながりができた人たちと、民間資金やノウハウを活用して公園施設を整備するPark-PFI事業に、地元の民間企業6社のひとつとして参加した。各社の役割分担の中で、福山電業が資金を出すことになり、公園施設のオーナー(大家)として、2021年5月、福山市中央公園内にガーデンレストラン「Enlee(エンリー)」をオープンする。

このプロジェクトに取り組んでいた頃、エフピコRiMの事業者公募が始まった。

「周辺地域の価値も向上させよう」が評価のポイントに

島田さんには危機感があった。全国展開の大手企業が公募に参加した場合、駐車場の利益だけを吸い上げられ、地元には何も還元されない恐れがある。しかし福山の大手企業は、どこも手を挙げない。

「それなら、自分たちでやるしかない」

収支が合うビジネスモデルを提示できれば、福山にも会社にも自分にも意味がある。島田さんは、企画書を書き始めた。

「小さなまちを作る」「挑戦したり仲間と出会ってなにかやってみたりできる始まりの場所」「みんなの希望をつくる場所」……。

2021年3月3日、福山市は運営事業者に福山電業を選んだ。福山市福山駅周辺再生推進課によると、特に評価したポイントは、建物単体ではなく周辺地域の価値も向上させようとしていることだった。

その決定と同時に、福山市役所に退職届を出した人がいる。

福山電業 iti SETOUCHI 館長 谷口博輝さん(写真:筆者撮影)

新卒で福山市に入庁し、駅周辺のまちづくりに携わっていた谷口博輝さんだ。

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