窪田:そうなんです。近視というのは、眼軸長(目の奥行き)が伸びてしまう病気です。一度伸びてしまった目は元には戻りません。ラグビーボールのように目が伸びてしまうと、網膜が引っ張られて薄くなり、将来的に網膜剥離や緑内障といった失明につながる重篤な眼疾患のリスクが跳ね上がります。だからこそ、基礎的な目をきちっとした健康的な目に育てるために、子どものうちから近視を防ぐことが非常に重要なんです。
1日2時間の「太陽光」が近視を防ぐ3つの理由
やまかな:では、どうすれば予防できるんでしょうか?
窪田:最新の研究で最もコンセンサスが得られているのは、「1日2時間以上、太陽光を浴びること」です。外の環境が目に良い理由は3つあります。
やまかな:3つもあるんですか?
窪田:はい。まず1つ目は、室内に比べて太陽光はとてつもなく明るいということです。2つ目は、外で遠くを見ていると、網膜の手前に映像が投影される機会が少なくなること。室内だとどうしても近くにものがたくさんありますからね。そして3つ目は、太陽光にはプリズムで見えるように紫から赤まで7色のスペクトルが含まれていて、その幅広い波長が目に届くことも重要だと言われています。この3つ——明るさ、波長、遠くを見る環境——が健康な目を作ります。
やまかな:太陽光を浴びるだけでそんな効果があるとは知りませんでした。でも、今の子どもたちの生活を考えると、
すよね。
窪田:足し合わせればいいんです。通学の時間、体育の授業、休み時間を合計すれば、2時間は決して不可能な数字ではありません。曇りの日でも、日陰でも、室内に比べればはるかに明るいので十分効果があります。お昼休みに外に出るだけでも違います。
やまかな:炎天下にずっといなくてもいいんですね。
窪田:はい、ベランダから日陰で外を遠く見ていてもいいんです。こま切れの時間でも、最低15分単位くらいで合計2時間以上いればいるほど目に良いと言われています。


