まず、規制の動きの背景には、未成年がSNSの利用を通じて深刻なトラブルに陥るケースが相次いでいるという、切実な実態がある。
こども家庭庁の調査では、青少年のインターネットの利用時間は約5時間27分にのぼる。とくにSNSはつい長時間利用に陥りやすく、その結果、睡眠不足や生活リズムの乱れを招き、頭を抱える保護者も多い。アメリカの公衆衛生局長官による報告書においても、1日にSNSを3時間以上利用する若者はうつ病などのメンタルヘルスの問題を抱えるリスクが2倍になると警告されている。
さらに、ネット上の誹謗中傷やいじめをきっかけに自殺に至る痛ましい事件もあり、SNSを通じて見知らぬ大人から声をかけられ犯罪に巻き込まれたり、性的搾取を受けたりするケースも多発している。警察庁のデータでも、SNSに起因する犯罪の被害児童数は高水準で推移しており、とくに小学生の被害は過去10年で最多を記録した。
自傷や自殺に関わる有害コンテンツに繰り返し触れることで不安が強まり、精神的に追い詰められてしまう事例や、近年では若者が「闇バイト」や投資・ロマンス詐欺といった重大犯罪の実行犯や被害者になってしまうケースも深刻な社会問題となっている。
