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なぜ深圳では世界的テック企業が次々生まれるのか──起業家を量産する驚異の育成システム

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INNOXのショールーム
INNOXのショールームには、生態系から生まれた製品が並んでいる(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター

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「中国のシリコンバレー」とも呼ばれる広東省・深圳は、ドローンやスマート家電など、世界に出ていく中国製ハードウェアの多くが生まれる都市だ。その象徴が、消費者向けドローンで世界シェアの7割超を握るDJIである。

では、DJIの成功は一人の天才が起こした偶然だったのか。それとも、再現できる仕組みから生まれたのか。深圳科創学院(Shenzhen InnoX Academy、以下INNOX)は、後者だという前提で動いている。

INNOXは、そのDJIを生んだ李澤湘(Li Zexiang)教授が2021年に設立したインキュベーターだ。

INNOXと、李氏が2014年に共同で立ち上げた「XbotPark」は、教育・インキュベーション・製造・投資を一体にした生態系を構成する。両者が育てたハードウェアスタートアップは、2025年12月時点で合計200社を超え、うち上場企業が4社、評価額10億ドル超のユニコーンが12社にのぼる。

6月初め、深圳で開かれた中国の消費者向けテック企業と海外メディアをつなぐイベント「Global Connect Show(GCS)」の一環で、このINNOXを取材する機会を得た。

案内に立った副学院長のCarol Yu氏の説明は、個々の製品の紹介ではなく、「世界で売れるハードウェア企業を、どうすれば仕組みとして生み出せるか」という一点に貫かれていた。施設では上階で研究開発を進め、階下の試作施設で形にするという。着想から試作までの距離が短い、と同氏は強調した。

INNOX施設内のダッシュボード。生態系全体で270社超を輩出し、生存率は88%。ブートキャンプの累計応募者は1万9000人を超え、現在922人の起業家が在籍している(写真:筆者撮影)
【写真を見る】なぜ深圳では世界的テック企業が次々生まれるのか──起業家を量産する驚異の育成システム(9枚)

DJIは偶然ではなく、再現を狙う対象

李氏はもともと香港科技大学(HKUST)の教授で、モーション制御の専門家だった。政府に請われて技術移転プロジェクトに取り組み、最初の会社・固高科技(GoogolTech)を立ち上げた。だが教授として技術移転を続けるうちに、効率の低さに突き当たる。

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