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なぜ深圳では世界的テック企業が次々生まれるのか──起業家を量産する驚異の育成システム

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INNOXのショールーム
INNOXのショールームには、生態系から生まれた製品が並んでいる(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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「教授が前に立って技術を移すより、若い学生を前線に立たせ、教授は後ろから支える方が速い」。Yu氏はそう説明した。HKUSTで学生にロボット製作を競わせる教育に切り替えた結果、教え子の一人だった汪滔(Frank Wang)氏がDJIを創業した。同社の評価額はいまや200億ドルを超える。

ここでINNOXが立てた仮説はこうだ。DJIの成功が個人の才能による偶然なら再現できないが、教育と支援の「仕組み」から生まれたのなら、同じ仕組みで次々と生み出せる。INNOXが掲げるのは、まさにこの再現である。

施設内に掲示されたINNOXエコシステムの全体像。1992年のHKUSTから4つの時期に分けて企業群を整理している(写真:筆者撮影)

小学校高学年から始まる「起業家の選抜と育成」

その仕組みは、教育・インキュベーション・アクセラレーションの3本柱で組み立てられている。教育の柱では20校を超える大学と連携する。知識を教えてから応用させるのではなく、現実の課題を解かせながら数学や物理を身につけさせる。

Yu氏が挙げた例が、電動ボートを作らせ、その性能で成績をつける授業だ。速度や安定性を出すには相応の知識が要る。完成したボートの出来が、そのまま理解度を映す。

入り口になるのがブートキャンプだ。毎年1300〜1500人が応募し、選ばれた80〜90人が2週間で「動く試作品」まで作る。自分たちで課題を定義し、解決策を立て、手を動かして形にする。この2週間を観察し、半数に起業家としてのオファーを出す。

INNOXはこうした選抜と育成の対象を、大学から小学校高学年へと広げてきた。人生の早い段階ほど資質は育てられ、遅くなるほど選抜でふるい分けるしかなくなる、という考え方だ。起業家は見つけ出すより、仕組みの中で作れるという発想である。

教育・インキュベーション・アクセラレーションの3本柱を説明するINNOX副学院長のCarol Yu氏(写真:筆者撮影)
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