次にわが国の鉱物性燃料の輸入全体についてみてみよう。4月の貿易統計では「原油及び粗油」が前年比で5割減、LNGも2割減。逆に石炭は2割増となっている。電力会社などが、慌てて発電用の石炭を買っている様子がうかがえる。
LNGの輸入先はオーストラリアやマレーシアなどアジア太平洋地域が中心で、中東依存度は1割以下である。また、長期契約分が約8割といわれているので、価格変動の影響も受けにくい。お陰で夏場の発電用燃料の確保はある程度見通せる。この面はラッキーだった。
やっぱり問題は原油だが、もはや絶対量は多くはない
問題は「中東依存度が95%」の原油である。87年には67.8%に低下していた時期もあるので、要は「易きに流れてしまった」ということだろう。従来はロシアから1割程度を輸入していた分が、ウクライナ戦争に伴って買い入れが停止になったことも痛かった。
今後の原油調達は確かに困難を伴いそうだが、それでも日本の原油輸入量(643億ドル=2025年、以下同)は、かつてほど巨大なものではなくなっている。国内需要は少子高齢化で減っているし、省エネも進んでいる。今では韓国(753億ドル)よりも少なく、インド(1431億ドル)の半分以下、中国(2957億ドル)の5分の1程度である。
わが国の「ホルムズ海峡依存度」は確かに高いが、確保すべき石油の絶対量は必ずしも多くはない。逆に中国は見かけ上、中東依存度は低く見えるけれども、量の確保には困っているはず。資源の確保において大事なことは、「率」ではなくて「量」なのである。
ところでお立合い。原油の輸入がほぼ半減しているのに、国内がそこまで混乱していないのはなぜか?海外から石油が入って来なくなった分は、国内の備蓄を取り崩して充てているからだ。
幸いにもわが国には、約200日前後という先進国では最長の石油備蓄がある。今はこれをありがたく使わせていただいているが、ここで使った分は後で穴埋めして、再び子孫の代にバトンタッチしていく必要がある。ということは、いずれ高い石油を買わねばならないということだ。食品消費税を引き下げている場合じゃないと思うけどね。
